新しく始まるブログ内不定期連載『キレイファイター』。
女子格闘技の方に、きれいに関する様々なことを教えていただくインタビュー連載です。今回第一回目は女子プロレス団体・スターダムに所属する高橋奈苗選手が登場。デビュー15周年を期に10kgの減量と筋力トレーニングで、従来の女子レスラー体型とは違うアスリート体型を手に入れた新しい時代の選手です。怪我に対する耐久性や強さなど、カラダに賭ける情熱と実践力を含め、エースとして業界を引っ張る存在。そんな奈苗選手に、女子の日常的なテーマ・ダイエットについてお聞きします。
食事の管理は脳の切り替えが大事。それと「適当が一番!」ーーキレイナビ会員の皆さんも世の女子の皆さんも同じだと思うのですが、ダイエットをする人は多くいても続けられる人は少ないんですよね。奈苗選手は肉体改造してからずっとカラダをキープされてますが、どんなご苦労がありましたか?
★わたし、ものすごく太りやすいんですよ。なのに甘いものやパン、粉ものなど、とにかく太るものが大好きなんです。だから減量したときは、まず食べ物に対する意識を変えるのが大変でした。トレーナーさんに言われた言葉が「減量は脳みそが一番大事」。まずなぜ太るかって食べてるんですよ!太ってる人は食べ過ぎてて「あ、わたし食べてたんだ」ってことをまず自覚する。そこが無自覚で「あたし痩せたいのにぃ」っていう変な矛盾に悩まされてる女子が多いんです。そうじゃない。食べる時は食べて「よし、これで元気になった」と思うことが大事。で、その分腹筋10回くらいやって寝よう♫って前向きに考える脳の使い方をして、食べたことに納得できると、ダイエットによるストレスから少し遠くなるんだと思います。
ーー食べ過ぎていたことを自覚する、というスタート地点が一番ハードそう。でも、目的もなく漠然と「痩せたい(気がする)」では節制は難しいですよね。何よりごはんは有り難いものだから美味しく食べられないのは勿体ないですね。
★もったいない!!! わたしの目標は美味しくごはんを食べることなんですよ。減量や食事調整を常にしているので、余計にそう思うのかも。「これしか食べられない」とか「これ以外食べられない」じゃなく、「これが筋肉になってくれる、これで明日頑張れる」なんです。とにかく食いしん坊なので、限られた中で美味しく食べる方法を探してます。あと、何年か食事を意識する生活を続けて出た答えは「適当が一番!」わたしはストレスから暴飲暴食しちゃうので、だったら先に美味しく食べちゃいます!
ーーわたし、ダイエットしなきゃと思うだけで食欲出る質です、お菓子とか特に…。奈苗選手は大好きなケーキなどはどうされてますか?たとえばチョコレートなんか脂質の固まりですけど。
★チョコレート大好きだったんですけど、肉体改造の時はNGで「和菓子ならいいよ」ってことになったんです。和菓子は炭水化物は多いけど、脂質がないので早い時間なら大丈夫で。それで和菓子を食べるようになったら、今や大福が何より大好きになっちゃって。甘いもの食べたいなって思った時、ケーキやチョコを選ばなくなってきた。
ーーチョコじゃなきゃダメって脳みそじゃなくなった?
★いやあ、なくなりましたね。単純にあんこLOVE。だからチョコを我慢してるわけでもないんです。食べたくなったら食べます☆ 粉もののお菓子も食べたい時は作ります。自分で作れば何がどのくらい入ってるか安心じゃないですか。マフィン、バナナブレッド、クッキー、スコーンとか。大好きなんですスコーン♫ 少しでも美味しいもの食べたいんですよね(笑)
↑↑↑奈苗選手お手製のクッキー。
本当はパンが好きだけれど、脂質のことを考えると朝は玄米です。
ーーところで、ダイエットを持続させている奈苗選手の日々の食生活を教えていただきたいのですが。
★基本的に3食食べます。できるだけ自炊で、ガッチリ減量中はお弁当を持ち歩きますね。太りやすいので、トレーナーさんと相談した結果、脂質を1日10g以内にしています。
ーー10gですか。10gってどう計ればいいんだろう?っていきなり分からないんですけれど。
★それが簡単で、コンビニならパッケージに書いてあるんですよ。エネルギー何キロカロリー、タンパク質何グラム、脂質何グラムって。これは結構おすすめです。
ーー具体的にはどんなものを食べるんですか?
★最近の定番は塩麹に漬けて柔らかくした鶏むね肉と、ブロッコリー他の野菜を多めに摂って玄米が朝ごはん。珈琲が大好きなので本当はパンを食べたいんですけど、どうしても脂質が多いので…。もしパンを食べるときはフランスパンやベーグルを選びますね。お昼ごはんを外食する時は、定食屋さんでサーモン定食とかお刺身定食とか。夜はできれば早い時間に食べたいんですけど、練習や興行などで流動的なので、時間はまちまちです。8時までに食べたいですね。夜は基本的に炭水化物は摂らないけど、早めだったら「ちょっとは食べようかな」とか。脂肪を燃やしてくれるのは炭水化物なので、少しは食べないとダメなんですよ。
ーー朝ごはんをきちんと食べるって、やっぱり大事なんですね。スターダムの他の選手も食生活は気を使ってるんですか?若い子はみんな細いですよね。
★わたしがカラダのことを気にしているので、気にする素振りは見せるんですけど。んー、まず料理を作るところからとか3食食べるところからなんですよ。細くても筋肉量は増やしていかないといけないんです。
ーーレスラーにはレスラーの筋肉量が必要だし、わたしも40代に入ってカラダの衰えに対して筋肉量の増加は必須だなと感じています。脂質も貯め込みやすくなってるな〜〜。脂質カット、気をつけます!
家族や友達にダイエット宣言して、わたしを甘やかさないでくれと言うんです。
ーーところで、奈苗選手が「適当が一番!」と思えるまでにダイエットでストレスを感じてたことはありましたか?
★ありますあります。減量当初はストレスの固まりでした。雑誌の表紙撮影っていう明確な目標があったから頑張れたんですけど。漠然と「痩せたい」じゃ絶対に続かない。1kgでいいから、この日までに1kgって決める。それが達成できたらご褒美をあげる。
ーーちなみに減量中にどんなご褒美をあげてもいいんでしょうか。
★たとえばケーキ食べ放題!これ、3kg減でいきましょう!そこまで節制できてれば代謝も上がってるので。わたしも雑誌の表紙撮影に臨んだ時は「頑張ったから2日間何でも食べていいよ」って言われて、お腹は空いてないのに、寝る直前まで菓子パンを食べたりしてましたね。
ーーチートデイ(何でも好きなだけ食べていい日)ですね!常に節制してる男子レスラーの方はチートデイ設けてますよね。まさにダイエットの休日☆ これ、一般の女子でも同じように羽目外して食べちゃっていいんでしょうか?一週間に一度とか。
★週1のチートデイ、いいと思います。大事なのは朝晩、同じタイミングで体重を計ること。すると今日食べ過ぎちゃったなとすぐ分かる。3日間くらいで調整するといいらしいです。「昨日食べすぎちゃたから今日と明日少なめにする」ことを意識すると、食べ過ぎたまま体重が増加することを避けられるっていう。そんな風に大雑把に、食べちゃったらどうにかすればいいを続けていけば大丈夫ですよ。
ーー引いたり足したりしていいんですね。女子は猪突猛進というか打ち込み型だけど、最初が熱い分、やはり挫折も多いですもんね。
★女性は本能的に守りに入るって聞いたことがあります。だから女性は自分じゃ絶対追い込めないんですよ。反対に男性は攻撃的で自分を追い込むことができる。わたしの場合はプロレスで、自分はここまで頑張れるって限界を決めててその手前までしか頑張らないんですね。それが女って生き物らしいです。
ーー女性はみなさん一心不乱にやってるように見えますけど
★やってないです(キッパリ)。やれてないです、多分。でも、1人では難しいことなので、周りの支えがあるといいですよね。家族や友達に宣言して、わたしを甘やかさないでくれ、わたしを応援してくれと言うんですよ。わたしもそうなんですけど、甘いもの食べたくなっちゃったときに「いいんですか、それ食べて」「やめときましょう」って後輩に言われたりする(笑)。それで食べないで済んだりするんです。まず周りに認知してもらって応援してもらうのがいい方法だと思いますね。
ーーちなみに、みんなそれぞれ現在の体重は個人差があるとして、一般女子に必要な節制の目標を設定していただけたりしないでしょうか。
★それ、難しいーー。うーん。じゃ、腹筋がうっすら見えるくらいにしましょう。腹筋といえば横を割るイメージだけど、横じゃなくて縦!真ん中に縦にうっすら線が入るくらい。縦ラインくらいなら誰でも入りますから。ばんばさんも、そこ目指していきましょう!
ーーわ、わかりました!老いていくカラダに抗いたいと思います!
高橋奈苗(たかはしななえ)
1978年12月23日埼玉県生まれ。1996年に全日本女子プロレスでデビュー後、フリーの時期などを経て、2011年に旗揚げしたスターダムの所属選手に。過去にタッグ、シングルともに数々のタイトル歴があり、同団体では初代ワールド・オブ・スターダム王座にして7度の防衛を果たす。惜しくも3月17日のアルファ・フィーメル戦でベルトを落とした。4月29日にスターダム初の両国国技館大会を開催。
スターダム公式サイトhttp://wwr-stardom.p-kit.com/高橋奈苗公式サイト
http://www.nanaracka.net/blog/