友達が就職浪人中だ。 出会った頃はまだ中学生で、棒っきれみたいな女の子だったのに、いつしか伸びて膨らんで、すげー女っぽくなってしまった。完全に追い抜かれた。クショー、平成生まれめ。 ずいぶん高みを目指してるあの子は、勉強しながらバイト中。将来有望な人材なので、立派になって豪勢に奢ってくれたまえ☆と励ましているのだけど、このたび、あの子が初めて奢ってくれた。『叶匠寿庵』の和三盆ロール。ある日、ロールケーキについて2人盛り上がり、わたしは和菓子屋のロールケーキが好きなのだと話したところからココへつながる。卵や小麦も、洋菓子と和菓子では選びどころが違うんでないか?ということが味だけで検証できたわけではないけれど、あの子が買ってきてくれたロールをみんなで切り分けもせずに、ザクザク掬って、そこへ帰ってきた少年部の小学生中学生たちも、アーンと大人にお裾分けしてもらいながら(腹を空かせた鯉のようだった)、ずいぶん大勢で食べた。 誰もみんな、奢ってもらって叱ってもらって教えてもらって、ちょっとずつ大きくなって、奢ってあげて叱ってあげて教えてあげて歳をとってゆく。そういうつながりを感じることができるから、わたしたちは、歳をとることを悲しまずにすむんだと思う。安心して生きていればいいんだと思う。それが人生。そんなんが人生。 さて、 ところで、 「浪人生」の人生は「浪花節」ということなのだろうか。いや、武士からきてるって知ってるんだけど、なんか、似てるよね。 -----