お守りというか、お手本というか、指針というか。 わたしは陶芸をやらないが、その作家の陶芸作品は 家の茶箪笥の一番下段の左側にいつも在ってほしいと思って 思ったものの悩みつづけて、3週間くらい。 今日は原宿に誘われたうえに 明日の訪問のお土産を桃林堂で買いたかったので これは、きっと、買い時なのだと、お札をお財布に入れて出かけたのに。 たまたまの今日が不定休……。 店長、悲しいす。 でも、予約はしまい。 この縁を疑ってなるものかと、心が意地を張る。 もしも縁なきものならば、それはわたしに必要ないのだ。 出会うも、離れるも、意味のあるできごと。 多少のロマンティックは、持つべし。持つべし。 -----
愛媛に親戚がいるともだちが 毎週のように柑橘類をくれる。 はい、蜜柑。 はい、ぽんかん。 はい、伊予柑とデコポン。 はい、はっさく。檸檬。 収穫時期を追って順番にやってくる柑橘類たち。 『くだものの本』片手に食べちゃうぜ。 味が混ざると勿体ないので、1日1種類ずつ。 -----
おかあさんのお供で神楽坂へ出かけた。 おかあさんは女の人なので、すぐに悄気たり拗ねたりする。わたしも女の人なので、十分に身に覚えがあって、それは身内に対しては容赦なく発揮されるので、お店と坂はきちんと調べた。 『千』は石畳の通りにある、美しい懐石のお店で、籠盛りのお料理が想像の1.5倍くらい大きくて、素敵だった。 大きいっていうのは、単純に、楽しくてうれしい。 籠盛り懐石は3000円。背筋がピンとするお値段。そういう緊張感は大事。 その後、神楽坂に来る用事のほとんどがココという『ロンジダル』に向かう。内戦の復興による輸入の再開を待っていた貝のバターナイフを買う。この、バターナイフが本当に好き。大好き。 五十番で買った肉まんをぶらぶら下げて、川沿いの川の上のカフェ『カナルカフェ』へ。陽気がよかったので、みんなこぞってテラスに出ていた。春が来るのが楽しみな場所。 鯉のエサを20円で買って、鯉にエサをぽいぽいあげた。 おかあさんは楽しくなってしまって、もうひと袋買っていた。 予想外のレジャーのおまけつき。 上手にできた1日。 -----
ここはどこなのだろう。 可愛らしいライトがあるし、つまり屋根のあるところにいるわけだから心配はないのだろうけれど。 ふたつきに一度くらい、こんな連絡がくる。 「りえちゃん、なんだか知らない天井が見えるんだけど、ここはどこなんだろうかね」 楽しそうな人生である。 転々と、酔っぱらいつづける。 記憶と記憶は、正しくつながってるのだろうか。 つながっていないのだろうか。 (ちなみに彼の朝と夜と朝と夜と朝は、まいにちつながっている) くふふふ。 答)地下のスナックで真っ暗でひとりぽっちで非常に淋しかったようです。さいきん、スナックを開きたい。たいなー。 -----
友だちの家に行ったら、プーアールー茶が出てきた。 「よく分かんないから、すごい高いの買ってきたよ〜」 という言葉通り、味がまるいまるい。 デンマーク王室御用達の『A.C.PERCH'S』を思い出すような、ウイスキーとはちみつのまんなかくらいの、透きとおった色。 香りも、まあ、まるいまるい。 きちんと、高いんだにゃー。 -----
わたしのなかで、大宮と新井薬師が流行っている。 大宮はバスと電車で出かける場所で、新井薬師は車で出かける場所だ。 10分も走れば着いてしまうところが手軽で、中野駅前に抜ける大通りは、飛び飛びだけれども、いい店がちょこちょことならんでいる。漆工芸屋さんとか、アンティーク家具屋さんとか、フェレット専門店もあるし、パンのおいしいトラットリアも通り沿い。 体のおっきいボブ(黒人ってボブな感じ)がひとりで営んでいる『kyle`s good finds』は、アメリカのママンのケーキが揃う貴重な店。いつしか『はらドーナッツ』も登場して、それぞれがけっこう離れているので、この町には散策という言葉がとても似合う。 一本内側に入れば商店街がはじまり、飴の専門店『papababble』ほか、500円で「5種類のきき味噌セット」が買える味噌屋さんや素朴なラーメン屋さん、一本60円の焼き鳥屋さんと、味にはこと欠かない町なのである。 街路樹が長々と並ぶ大通りは、中野が近くなるまで交通量もすくない。そこそこ長閑なこの町は、車で走っても、自転車で走っても、本当にちょうどよくて、ちょくちょく来てしまう。 つぎに来るときは、ひさしぶりにボブんちのケーキが買いたいな。 -----