CMで見ていたら、氷からポタリと落ちるお茶の一滴が、 たまらなく美味しそうで、つばきを呑んだ。 氷出し専用のお茶器がないとだめかしら。 でも新しい台所用品、増やしたくないなぁ。 ここひと月ほど、ポスターやCMを見るたびに 気持ちが行ったり来たり。 ふと。 仕組みはやや違えども、ほぼ意味が合ってればよいではないか と思い立って、珈琲プレスに緑茶の茶葉と氷を入れた。 水を入れていないと、氷は思ったよりも融解が遅い。 じわりじわりと4時間ほども待ったあとで、 ほんの200mlほどの冷茶ができあがった。 その緑茶の甘いことったら。 料理が趣味だと思えるようになってから、 下ごしらえの楽しさに、以前よりも心が躍る。 野菜の水分が抜けていく時間。 夜通し、水に珈琲が沁み出していく時間。 ゆっくり融解する氷が、緑茶を抽出していく時間。 待つことばかりしているけれど 待つことは、決して止まった時間ではないのだと このごろ、確信しはじめている夏なのである。 -----