2013.08.08 Thursday
【キレイファイター】(3)紫雷美央選手に聞く、女子レスラーのコスメ事情
『キレイファイター』第三回目は、フリーの選手でありながら4団体にレギュラー参戦する、超売れっ子美女レスラー紫雷美央(しらいみお)選手が登場。一度見たら忘れないストレートの黒髪に2本の金メッシュがトレードマーク。自身でコスチュームデザインも手掛けるマルチな才能の持ち主です。クールで隙のないメイクで業界No.1クールビューティーと言ってもよい彼女の、もうひとつ特筆すべきは「試合後もメイクや髪型が崩れないこと」。壮絶な戦いの中で、なぜ美しさを保つことができるのか?レスラーならではのコスメの工夫をお聞きします。汗だくの真夏でもしっかり落ちないメイクの参考になるはず!
お湯で落ちるウォータープルーフはウォータープルーフじゃねぇ!って思ってます。
――夏になるとキレイにメイクする以上に悩ましいのが、汗で一瞬で化粧が崩れることですけれど、レスラーの方は何十倍もの汗と強いライトで試合前のメイクを保つのがなかなか難しいですよね。髪は掴まれてぐしゃぐしゃになっちゃうし、眉毛やアイメイクなんかも、とれちゃう人はパーッととれちゃう。
★あれ?な、なにか塗ってたの?みたいな。なにか塗ってました?っていうね。
――それが普通で仕方のないことだと思っていたんですが、美央選手だけは段違いでメイクも髪型も乱れない。この人どうなってるんだろう???ってずっと気になってたんです。
★簡単に言ってしまえば、髪も化粧も湿気に負けない状態にしとくと長持ちするんですよ。最近流行りのお湯で落ちるウォータープルーフは、ウォータープルーフじゃねぇ!って思ってます。お湯で落ちるってことは、ライトの熱と自分の体温と汗で落ちるんです。試合用で一番落ちないのがファシオさんのマスカラ。固まってジョリジョリするタイプで、カールは下がるんですけど睫毛に乗ってた分はとれないです。アイライナーはマジョマジョさん(マジョリカマジョルカ)のにしてます。カチカチってちょっとずつ出すやつなんですけど、しっかり乾いてくれる気がします。自動的に出てくるタイプのライナーは水っぽくて試合では無理ですね。反対に普段使いはKATEさんのライナーだったり、お湯で落ちるマスカラだったりしますよ。
――やはりリングの上用のメイクがあるんですね。レスラーならではのメイクの悪条件として、もうひとつ「摩擦」があると思うんですが。
★はい。どうせこすれてとれてしまう面なので、ファンデーションはあまり気にしないです。じゃ何が大事かって考えたときに下地。わたしは血色悪くて、肌の色がかなり黄色寄りなんで、ピンクパールの入ってる下地を塗ってから、3種類のコンシーラーでシミとシワを消します。ファンデーションは、要はバラバラについたものたちを均一に見せるためで、刷毛でサッサッサッとやるだけです。
――み、みっつ使うんですか???
★3つです(キッパリ)。気になるクマはオレンジのコンシーラー、鼻の横の赤いのは緑のコンシーラー、頬の部分は固いコンシーラーを使います。さらに目元とか皮膚の薄いところはリキッドのちょっと高いメーカーさんので、もっかい上からカバーします。上のファンデを厚塗りしちゃうと、とれたとき下のとズレた感出るじゃないですか。刷毛程度にしとくと上が落ちたとしても、そこまでズレた感は出ないんです。
――なるほどぉぉぉ。面積の広い部分と言えば髪の毛も相当…
★まず、長いと人に踏まれて抜けるので、長さはここくらい(胸上)までかなってのはありますね。
――まず、そこですか?
★はい、そこでしたね(笑)。よく直毛だと思われるんですけど、ストレートパーマです。猫っ毛の癖っ毛で、好きな方向にはねちゃうんですよ。で、つらいんで定期的にストパーしてます。わたし金髪の部分があるんで「金髪の部分以外健康だから、ココ避けて全部ストパーかけてくれっ」って無茶言ってるんです。金髪のところはアイロンでやってるんで、試合終わると金髪の部分だけあっち向いてたりするんですけど。アイロンも機能いいやつにしないと全然伸びないんで、遠征行くには重いし邪魔くさいんですけど、セラミックの面もいい高いやつで。わたし的にはコレ(金髪)が曲がっただけで「すげえ今日ぐっちゃぐっちゃになったわあああ…」って(控室に)帰ってきますね。
アイプチは糊でつけたあとに糊開いて、その隙間にアイテープを貼るんです。
――美央選手のメイクの特徴と言えば目元ですが、ここにもレスラーテクニックありますか?
★まず、眉毛ですね。眉毛をみんなペンだけで描いちゃってるんですけど、ペンで描いた上から眉コートっていう透明なマニキュアみたいのを塗ります。あと目周りはどうせ落ちるからって薄くするんじゃなくて、落ちても大丈夫な順番で塗るんですよ。雑誌を見ると、目を強調したいときにはアイシャドウ?粉のやつ塗ったあとにアイライナーの黒が最後なんですけど、そこを一個我慢してまず最初に黒のアイライナー。要は粉塗ったところにリキッド塗っても、そんなに皮膚に密着してない感じがするんですよね。だから理論的には液体を先に塗ってから粉塗ったほうがくっつきは良いんじゃないかなと。
――よく考えてらっしゃいますねぇ。なんか努力のレベルが違います!
★だって、わたしアイプチもしてますもん。
――え、いらないですよっ???
★いや、一重なんですよ。今もアイプチしてます。でも、試合の時は今日してる普通の糊のアイプチだけだと取れちゃうんですよ。わたしは糊で付けたあとに、糊開いてその隙間にもっかいアイテープをつけるんです。するとテープもあるし糊もあるしで、絶対剥がれない。試合中に目擦られても取れないんですよ、テープ。
――目のとこゴシゴシーーーって攻撃してきますもんね!!!そんな攻撃の摩擦も大丈夫っていう。でも、わたし美央選手のアイプチをこの至近距離で見破れないんですけれど。
★わたしは奥二重の進化系みたいな幅が広めのにしてるんですけど、嘘っぱちになりやすいところを中に入れちゃってるんですよ。接続部分が分かりやすいところは隠してる。だからこれ、糊をザッッッッって引っ張ると、肌色の部分がベリリッッッって出てきます。目を閉じるとココに肌色の溝が、できちゃいますけど♪
――いやー、全然分からないです。しかし「こういう二重にしたい」っていうのも決まってるんですね。
★年下の子たちって「こういう二重にしたい」って理想型を目指して嘘っぽい二重になってるけれど、個人の目の形はそれぞれあるんで、その目の形でいきやすい大きい目に変えたほうがいいですよって、わたし思うんです。
――それ、分かってるんだけど…ってやつですよね。わたしも自分の顔考えてない(見ないふり)位置にチーク置いてしまったりします。
下の子たちには「今自分がどういう子か考えなさい」って言います。
★たとえばわたしはレスラーなので、リングに上がるメイクをしなきゃいけないんですけど、化粧は「これが自分が美しい」と思った状態でいてほしいんですよ。「自信持ってこれ提供できる」ってところで止めておきたいんです。
――レスラーとしてだけでなく、とにかく自分がきれいでちゃんとしていたいと。でも、似合う二重をやっぱり見つけられない人のほうが多いんじゃないでしょうか。美央選手の周囲で言えば後輩レスラーの方たちなんかはどうですか?お仕事柄メイクはキャラ込みなわけですが。
★下の子たちには「お前は何になりたいんだ?」って聞きます。答えがあやふやだと「じゃあ、今自分がどういう子かしっかり考えなさい」って言います。
――自分が今どういう子か????????
★「どういう子か」なんです。女子が何人もいたら「喋る人」「ゆっくり聞いてくれる人」「相槌打ってくれる人」っていろいろで、わたしだったら「主導権は人に任せてるけどガヤ入れて笑いとか美味しいとこだけもらってくタイプ」。それで、そのまま試合に出てるだけなんです。だから私生活のことも油断しないでしっかり見ときなさいねって。「こういう風になりたい」っていうのは大事かもしれないけれど、理想と自分がかけ離れてたら一生ちぐはぐして、そのちぐはぐがお客さんに伝わって面白くなくなるんです。
――それ、「お客さん」を「友人や異性」に置き換えたら、一般女子の一生も同じ話ですね。理想と自分はかけ離れがちだし、ちぐはぐしちゃってると思います。その見極めは、まず今の自分にあると。アイプチの話もそうですけど、今の自分の顔をよく見とかないとなんですね。
★それさえできれば、化粧は「なれる自分」になれると思います。今時だったら人間の体の仕組みも分かってきてるし、化粧や服装は努力した分返ってくると思うんで。でも、ゴール地点は重要ですよ。ゴール地点見えないでがむしゃらにやってると、ほんとにがむしゃらのまま終わりますからね(ニッコリ)。
紫雷美央(しらいみお)
1988年神奈川県生まれ。2007年に男子団体よりデビュー後、フリーで活躍。メキシコの団体AAA修行時代はマスクウーマン『KAGUYA』として人気を博す。女子レスラーのコスチュームデザイン、2012年には毎年フランスで開催された日本ポップカルチャーの祭典・JAPAN EXPOにゲスト出演など、多方面での活躍が注目される。
紫雷美央公式サイト
http://ameblo.jp/shirai-s/
お湯で落ちるウォータープルーフはウォータープルーフじゃねぇ!って思ってます。
――夏になるとキレイにメイクする以上に悩ましいのが、汗で一瞬で化粧が崩れることですけれど、レスラーの方は何十倍もの汗と強いライトで試合前のメイクを保つのがなかなか難しいですよね。髪は掴まれてぐしゃぐしゃになっちゃうし、眉毛やアイメイクなんかも、とれちゃう人はパーッととれちゃう。
★あれ?な、なにか塗ってたの?みたいな。なにか塗ってました?っていうね。
――それが普通で仕方のないことだと思っていたんですが、美央選手だけは段違いでメイクも髪型も乱れない。この人どうなってるんだろう???ってずっと気になってたんです。
★簡単に言ってしまえば、髪も化粧も湿気に負けない状態にしとくと長持ちするんですよ。最近流行りのお湯で落ちるウォータープルーフは、ウォータープルーフじゃねぇ!って思ってます。お湯で落ちるってことは、ライトの熱と自分の体温と汗で落ちるんです。試合用で一番落ちないのがファシオさんのマスカラ。固まってジョリジョリするタイプで、カールは下がるんですけど睫毛に乗ってた分はとれないです。アイライナーはマジョマジョさん(マジョリカマジョルカ)のにしてます。カチカチってちょっとずつ出すやつなんですけど、しっかり乾いてくれる気がします。自動的に出てくるタイプのライナーは水っぽくて試合では無理ですね。反対に普段使いはKATEさんのライナーだったり、お湯で落ちるマスカラだったりしますよ。
――やはりリングの上用のメイクがあるんですね。レスラーならではのメイクの悪条件として、もうひとつ「摩擦」があると思うんですが。
★はい。どうせこすれてとれてしまう面なので、ファンデーションはあまり気にしないです。じゃ何が大事かって考えたときに下地。わたしは血色悪くて、肌の色がかなり黄色寄りなんで、ピンクパールの入ってる下地を塗ってから、3種類のコンシーラーでシミとシワを消します。ファンデーションは、要はバラバラについたものたちを均一に見せるためで、刷毛でサッサッサッとやるだけです。
――み、みっつ使うんですか???
★3つです(キッパリ)。気になるクマはオレンジのコンシーラー、鼻の横の赤いのは緑のコンシーラー、頬の部分は固いコンシーラーを使います。さらに目元とか皮膚の薄いところはリキッドのちょっと高いメーカーさんので、もっかい上からカバーします。上のファンデを厚塗りしちゃうと、とれたとき下のとズレた感出るじゃないですか。刷毛程度にしとくと上が落ちたとしても、そこまでズレた感は出ないんです。
――なるほどぉぉぉ。面積の広い部分と言えば髪の毛も相当…
★まず、長いと人に踏まれて抜けるので、長さはここくらい(胸上)までかなってのはありますね。
――まず、そこですか?
★はい、そこでしたね(笑)。よく直毛だと思われるんですけど、ストレートパーマです。猫っ毛の癖っ毛で、好きな方向にはねちゃうんですよ。で、つらいんで定期的にストパーしてます。わたし金髪の部分があるんで「金髪の部分以外健康だから、ココ避けて全部ストパーかけてくれっ」って無茶言ってるんです。金髪のところはアイロンでやってるんで、試合終わると金髪の部分だけあっち向いてたりするんですけど。アイロンも機能いいやつにしないと全然伸びないんで、遠征行くには重いし邪魔くさいんですけど、セラミックの面もいい高いやつで。わたし的にはコレ(金髪)が曲がっただけで「すげえ今日ぐっちゃぐっちゃになったわあああ…」って(控室に)帰ってきますね。
アイプチは糊でつけたあとに糊開いて、その隙間にアイテープを貼るんです。
――美央選手のメイクの特徴と言えば目元ですが、ここにもレスラーテクニックありますか?
★まず、眉毛ですね。眉毛をみんなペンだけで描いちゃってるんですけど、ペンで描いた上から眉コートっていう透明なマニキュアみたいのを塗ります。あと目周りはどうせ落ちるからって薄くするんじゃなくて、落ちても大丈夫な順番で塗るんですよ。雑誌を見ると、目を強調したいときにはアイシャドウ?粉のやつ塗ったあとにアイライナーの黒が最後なんですけど、そこを一個我慢してまず最初に黒のアイライナー。要は粉塗ったところにリキッド塗っても、そんなに皮膚に密着してない感じがするんですよね。だから理論的には液体を先に塗ってから粉塗ったほうがくっつきは良いんじゃないかなと。
――よく考えてらっしゃいますねぇ。なんか努力のレベルが違います!
★だって、わたしアイプチもしてますもん。
――え、いらないですよっ???
★いや、一重なんですよ。今もアイプチしてます。でも、試合の時は今日してる普通の糊のアイプチだけだと取れちゃうんですよ。わたしは糊で付けたあとに、糊開いてその隙間にもっかいアイテープをつけるんです。するとテープもあるし糊もあるしで、絶対剥がれない。試合中に目擦られても取れないんですよ、テープ。
――目のとこゴシゴシーーーって攻撃してきますもんね!!!そんな攻撃の摩擦も大丈夫っていう。でも、わたし美央選手のアイプチをこの至近距離で見破れないんですけれど。
★わたしは奥二重の進化系みたいな幅が広めのにしてるんですけど、嘘っぱちになりやすいところを中に入れちゃってるんですよ。接続部分が分かりやすいところは隠してる。だからこれ、糊をザッッッッって引っ張ると、肌色の部分がベリリッッッって出てきます。目を閉じるとココに肌色の溝が、できちゃいますけど♪
――いやー、全然分からないです。しかし「こういう二重にしたい」っていうのも決まってるんですね。
★年下の子たちって「こういう二重にしたい」って理想型を目指して嘘っぽい二重になってるけれど、個人の目の形はそれぞれあるんで、その目の形でいきやすい大きい目に変えたほうがいいですよって、わたし思うんです。
――それ、分かってるんだけど…ってやつですよね。わたしも自分の顔考えてない(見ないふり)位置にチーク置いてしまったりします。
下の子たちには「今自分がどういう子か考えなさい」って言います。
★たとえばわたしはレスラーなので、リングに上がるメイクをしなきゃいけないんですけど、化粧は「これが自分が美しい」と思った状態でいてほしいんですよ。「自信持ってこれ提供できる」ってところで止めておきたいんです。
――レスラーとしてだけでなく、とにかく自分がきれいでちゃんとしていたいと。でも、似合う二重をやっぱり見つけられない人のほうが多いんじゃないでしょうか。美央選手の周囲で言えば後輩レスラーの方たちなんかはどうですか?お仕事柄メイクはキャラ込みなわけですが。
★下の子たちには「お前は何になりたいんだ?」って聞きます。答えがあやふやだと「じゃあ、今自分がどういう子かしっかり考えなさい」って言います。
――自分が今どういう子か????????
★「どういう子か」なんです。女子が何人もいたら「喋る人」「ゆっくり聞いてくれる人」「相槌打ってくれる人」っていろいろで、わたしだったら「主導権は人に任せてるけどガヤ入れて笑いとか美味しいとこだけもらってくタイプ」。それで、そのまま試合に出てるだけなんです。だから私生活のことも油断しないでしっかり見ときなさいねって。「こういう風になりたい」っていうのは大事かもしれないけれど、理想と自分がかけ離れてたら一生ちぐはぐして、そのちぐはぐがお客さんに伝わって面白くなくなるんです。
――それ、「お客さん」を「友人や異性」に置き換えたら、一般女子の一生も同じ話ですね。理想と自分はかけ離れがちだし、ちぐはぐしちゃってると思います。その見極めは、まず今の自分にあると。アイプチの話もそうですけど、今の自分の顔をよく見とかないとなんですね。
★それさえできれば、化粧は「なれる自分」になれると思います。今時だったら人間の体の仕組みも分かってきてるし、化粧や服装は努力した分返ってくると思うんで。でも、ゴール地点は重要ですよ。ゴール地点見えないでがむしゃらにやってると、ほんとにがむしゃらのまま終わりますからね(ニッコリ)。
紫雷美央(しらいみお)
1988年神奈川県生まれ。2007年に男子団体よりデビュー後、フリーで活躍。メキシコの団体AAA修行時代はマスクウーマン『KAGUYA』として人気を博す。女子レスラーのコスチュームデザイン、2012年には毎年フランスで開催された日本ポップカルチャーの祭典・JAPAN EXPOにゲスト出演など、多方面での活躍が注目される。
紫雷美央公式サイト
http://ameblo.jp/shirai-s/