恋とおやつ手帖


PROFILE

ばんばりえ

主婦ときどきライター。
ご近所専門オーダーメイドケータリン
グ『キッチンよもぎ食堂』を主宰。お
教室に習いに行くほどプロレスに夢中
な40代を過ごしています。好きなおや
つはブッセ、うにせん、麦チョコ。好
きなごはんは蕎麦と白米とピーマンの
肉詰め。好きな場所はお布団の中。
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さくいん
座りたい椅子を探す旅
長らく「ここにお座りください」と自分で自分に指示した椅子から移動しようかと考えている。

その椅子のスプリングは上等ではなかったし、シートに綻びもあった。窮屈でもあった。

誰かに座れと言われた椅子ではないけれど、みんなが打ち捨てた見向きもしない椅子だった。椅子から見える景色は絶景とは言えず、でもこの椅子だからこそ見える気付く、小さくても良い景色もあった。と思う。

長らく付き合った間柄だから椅子のほうも分かってくれるはず。わたしなりには育てておいたから、当初より尻心地が良い場所になってるはずだし。

行き先は決まっていない。
というか、人から見たところでわたしが何処に移動したか見えるはずもない。断捨離や引越しやLINEリストの整理整頓みたいに、パーっと気が晴れるものでもなし。

少なくとも次は、自分で座るよう指示しない場所にしなくては。いつも余ってる席でいいやと思ってきたけれど、座りたい場所を探さないとね。
| 人生とか | 02:22 | trackbacks(0) |
ボランティア活動の悩ましい問題
保護犬を飼っている。
17年で今3代目。
要らないよって言われてる命があるんだよね、犬も猫も人間の男の子も女の子も。凄い世界だなーと思って、そうじゃない世界に住みたくて、保護犬を飼っている。

子育てし損ねたけれど、要らないよって言われてる子供がいるなら子供を産むのはやめて養子を迎えようと思っていた。犬より敷居が高くて、いつまで悩むか分からないからモンゴルの女の子を支援することにして8年くらい。

モンゴルの女の子にはあまりマメに手紙は書いてなくてお誕生日カードも遅れちゃって、日々少し反省する。

犬猫のシェルターのお散歩とお掃除ボランティアに行ってみたけれど、続かなくて、言うほど熱意がないのだと反省する。

さて。
何もやってない訳じゃないのにね。

でも、出世欲や物欲と同じように、気持ちの中だけでは足りない足りないと思ってしまうもんなんだな。
お店に素敵な商品がたくさん並んでいるのを見るように、世の中にたくさんある悲しみと目が合ってしまう。ああ。

悲しみを刈り取る作業なんて際限ないと知りつつ、寝る間も惜しんで動いている人たちがいて、寝ていてごめんなさいと思うわたしがいて、それってドッチもほんとは変なの。

ほんとは変だって知ってほしい。

まずはそこから。
| 人生とか | 02:45 | trackbacks(0) |
不便も便利も忘れてしまう
待ち合わせのカフェで、離れた席にいることにお互い気付かないまま30分ほど待ちぼうけて、手持ち無沙汰もあり、隣に座っていた片桐はいりさんの挙動を見つめることになったのは昔も昔。

フィンランドに旅する友人にラインを送り、週末の予定を聞いている時、ふとムズムズと違和感を感じた。


つながりすぎてる

それは携帯電話やメールには既に感じないもの。便利であることや、便利になったことや、不便だったことは、時間が経つと忘れてしまう。不満も感動も忘れてしまう。

いつか、今日の違和感も。

なんでもかんでも
わたしたち、忘れてしまうね。
| 人生とか | 12:30 | trackbacks(0) |
人生に必要な人
このところ、集団というものに非常に興味がある。たとえば、犬猿の仲のあの子とあの子は大抵顔を会わせてしまう場所に、同日同時に所在する。


私だったら、行かない。


だって、会いたくないじゃない。


しかし、あの子とあの子は行く。あいつがいる、コンチクショウと思いながら我先にそこに行く。顔を合わせて横目で睨んだり、舌打ちしたりする。

意味が分からない。と昨日までのわたしは匙を投げていた。しかし気付いたのだ。あの子があの子を嫌いなのは、あの子は自分と似ているから。そして、自分が生きる物語は登場人物が必要不可欠。素敵なあの子と同じくらい、嫌いなあの子も物語に必要なのだ、自分が主人公として輝くために。


自分のために居てくれる人たち。


人って人を必要としているんだわ。
| 人生とか | 01:25 | trackbacks(0) |
進行管理の人
自分専用の進行管理の人がいてくれたらいいのに。

食べ物の買い出し、料理、クリーニングに、飲みのお誘い、親にメールや連絡をするのだって、あれこれ順番などあるじゃないのですか。

これはこの後、それは今日じゃない、と貼り出してほしい。進行管理表見ながら暮らしたいのよ。
| 人生とか | 12:00 | trackbacks(0) |
たとえば今日明日明後日



購入したネイルチップを
自分の爪の形に整える
なんてことも
最低限の気力と体力
そして
すこしの想像力と勇気を持たなければ
いつまでも
いつまでも
手をつけないまま

これが10代であれば
迷わずその日の夜にハサミをいれる
若さって待てないことだもの

おとなになるって
無駄に待てちゃうこと

たとえば恋だって


たとえば少し遠いものだって


たとえば、たとえば。
| 人生とか | 12:00 | trackbacks(0) |
ひとりごとはじめました

疲れてくると自分を見失う時間が増えてしまって困ります。5秒くらい止まってしまう。ハッとなって動き出してまた5秒停止、その繰り返し。

今日なんか朝からぼんやりしていて、日曜日だからそれでもいいのだけれど、しばらく止まっていて部屋に差し込む陽の加減から「もう14:00くらいなんだろうなー、休日が終わってしまうなー」と思っていたら、午前中の11:00でした。これは自分を見失うあまり時間さえ見失っていた例ですが、3時間取り換えすことができて本当に運がよかった。

疲れてくると、次の行動にスムーズに移れない。

そんな時だけ音楽をかけます。右手と左手順番に動かせるようリズムだのビートだの力を借りるわけです。刻むビートに乗って方向転換も物の出し入れもスムーズ。透明な運動補助装置が関節についてるみたいで、本当に助かるばかりですね。音楽っていいね。

音楽が近くにないと面倒なので脳内で覚えている曲を再生してビートと共に動くのですが、なんだか今日は音楽の力でも足りなかったのです。足りなかったのですよ。仕方ないからしゃべり始めてみることにしました。

ひとりごとです。

もういっそ次の動作も、犬を愛する言葉も、お腹が空いた話も振りまいて、部屋の空気を自分のものにしようかと思ってですね。これが結構いけた。テレビに映る俳優さんの顔を褒めてみたり、小指をぶつける棚の小角を用心してみたり……これが本当に結構いけた。

わたし、ひとりごとはじめました。

どうぞよろしくお願いいたします。

| 人生とか | 12:30 | trackbacks(0) |
買い込んだ毛糸、どうしてますか?

つまらない性格のわたしは、編物学校のみんなが「1週間で1着編めるようになって、ガンガンモノ作りしたい」と言っている横で、「つい毛糸欲しくなっちゃって、毛糸ばっかりたまるよねー」と言っている横で、余り糸のことばかり考えている。このごろ。

編むのが遅いおかげで、いらない作品がたまらない。編むのが遅いおかげで毛糸もそんなに買わない。確認したところ大きい籐籠1個分の余り糸だった。



キッチンスケールにそれぞれの糸を乗せて、手袋になりそうなグラム、帽子になりそうなグラムなど分けてゆく。

手持ちの糸同士をやり繰りして、そこそこカワイイ色組みするのは骨が折れる。糸売ってくれなくていいから、センス売ってかみさま。



濃緑と濃紺を混ぜて、ヘアバンドを作成中。

いくらモノが多くても、使うわたしたちの脳が退化しては意味がない。「使い切る」能力をこの手に。

羊あっての編物だもの。

悩んで、悩んで、ゆっくり良い形が見えるまで。焦らずゆっくり、ひとつずつ作りたいの。

| 人生とか | 12:10 | trackbacks(0) |
結婚記念日をむかえる前に


「あれは仕方のない事だったんだ」

と男の人は言う。女の人はイラついて「仕方がなかったってなに?」と反論する。女の人はその瞬間諦めきれない生き物だから、諦めようとする態度を許せない。許せず、終わりにしてなるものかと、猛烈に責めたてたりする。


しかし。


たとえば大多数の女の人は、大きく恋を失っても相手の男性をストーキングすることも、刺し殺すこともなく、いつしか過去の恋を箱にしまいフタをしてしまうことができる。人生には新しい箱がいくらでも用意されていて、そこにしまうべき出来事はいくらでもあって、女の人の人生はいつでもアップデートされ続ける。


だから。


仕方のない事で済ませられる訳がないと溢れた怒りさえ、いつしか風が吹いて少しずつ飛ばされ、雨が降って洗われるうちに、淡く小さくなってゆく。溢れた怒りだからこそ、放出され燃焼され、運がよければ浄化されるのだと思う。そのとき男の人はどうだろう?「あれは仕方のない事だったんだ」と言った気持ちはどこを辿ってどこへ辿りつくのか…。腹も立てず煮え立たつこともしない男の人は、箱にしまえないアレやソレを鞄に入れたままずっと持ち歩いているのかもしれない。と、自分の反対側の性に寄り添い気味に考えてみた結婚記念日の一か月前。

| 人生とか | 12:05 | trackbacks(0) |
本当に欲しいものが必要な時代
本当に欲しいものはみんな別々のものでなければならない、と思っている。秋の流行りのファッションアイテムとか、明日発売のスイーツとか、今今の楽しみの目標はあってもいいよね。土曜日、日曜日の目標みたいな。


でもそれらは「一番欲しいもの」を知る大きなヒントでして。多分。人生の指針にもなり得てしまうわけでして。多分。いや、この大袈裟な物言いは意外とありでないはず。

好きなものが決まってるって安心する。自分の大好きなものがあるって、それだけで不安が減る。ショートケーキ派なのかモンブラン派なのかタルトラブなのか? 一家言あるケーキの種類が脳裏をよぎった人は、他の人よりちょっぴり幸せものです?

夢なんて壮大なものはなくたっていい(押入れで寝てみたいとか、そういうのはアリ)けれど(というか父よ母よ大人たちよ安易に若者に「夢を持て」などと軽口を叩くな。ばかばかばか)、自分が本当に好きなものはゆっくり探して損はないでしょう。
好きなものがあると楽しくなる。好きなものがあって楽しいと自信を喪失しない。だって成功なんて楽しいとは限らないんだもの。


みなさん、
一番好きなごはんのお供はなんですか?
わたしは納豆と味海苔です◎
| 人生とか | 10:26 | trackbacks(0) |
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